IH熱処理によるソリューション事例

IH熱処理のエキスパートとしてつねにお客様の抱える技術的課題の解決に取り組んできた富士電子工業。
最近のソリューション事例をご紹介します。

事例1 硬度が出ない

硬度が足りない?

素材:FCD600
硬度規格 HRC46以上

【素材の組織が適切でないと、いくら焼入をしても硬度は上がりません!】

右図焼入パターン(色が白く変化している箇所)では指定範囲を満たしているように見えますが、実際に硬度測定を行うと、HRC46以上を満たしているのは①のみでした。
光学顕微鏡により③の素材組織を見ると、フェライトが大部分を占めており、パーライト面積が少ないことが分かります。

③組織×400 (素材)

パーライト面積率20%程度

②組織×400 (焼入部)

硬度測定結果:HRC33.3

①組織×400 (焼入部)

硬度測定結果:HRC46.8

フェライトをいくら加熱して冷却しても、硬度は上がりません。特に鋳物を焼入する場合、安定した焼入を行うには最低でも70%以上のパーライト率が必要です。
本品の場合、パーライト率が低い箇所が多くありました。
処理を短時間で行う高周波焼入は、浸炭炉などの雰囲気熱処理に比べて、偏析など素材の影響を受けやすい特徴があります。

このケースの様に、素材が原因で熱処理品質に影響を及ぼすことがあります。
特に鋳物については、その他鉄鋼材料よりもロット毎のバラつきが大きくなる傾向がありますので、特に注意が必要です。

富士電子では、X線式金属材料解析機を始め、各種検査機器を社内に保有しておりますので、根本原因の迅速な特定が
可能です。

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